F1SCENE Blog

From the Photographer

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From the Photographer Chapter 5

   

望遠レンズ vs 広角レンズ

基本的に動いているものは動いているように、速いスピードで走るものは速そうに。これがスチール写真で動感や迫力を感じさせる一つの方法だと思うのだが、一般的な表現をすればスローシャッターということになる。時々僕らが持っているバズーカ砲のようなレンズを見て「よくこんなレンズであんなに速いスピードのマシンを追えますね!」と言われることがあるのだが、タネを明かせば実は望遠レンズほどスローシャッターの流し撮りは簡単で、本当は広角レンズで同じことをする方が難易度が格段に上がり、僕の場合でも確率はかなり低くなる。当然だけど望遠で追うのだから被写体との距離は離れていて、実際のマシンのスピードより確実にゆっくりに見える。しかしコースサイドで目の前を走り抜けるマシンはとてつもなく速く、それこそ全身でカメラを振り回さなくてはならない。だから実はスローシャッターでの流し撮りは望遠レンズの方が簡単になる。

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CANON 1DX+EF600mm IS II USM F4.0 + 2×III 焦点距離 1200mm SP 1/8 F16

とは言っても僕の場合のシャッタースピードは1/15から1/8、時には1/4までも使うことがある。こうなると望遠だろうが広角だろうがさらに確率は下がり、ますます難易度は上がってくる。そして当然だが晴天の昼間ではレンズの絞りを最大に絞り込んでも明るすぎて、こんなシャッタースピードは使うことができない。もちろんND(Neutral Density /減光)フィルター)を使う手はあるが、どうしてもファインダーが見ずらいし、カラーバランスも微妙に変化するので個人的にはあまり好きになれない。だから僕の場合は晴れのレースもいいが、時には悪天候のレースも捨て難いという我がままなことになる(笑)

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CANON 1DX+ EF 16-35mm IS USM F4.0 焦点距離 16mm SP1/15 F20

そしてスローシャッターは時としてものすごく効果的だし、迫力を得ることもできる。だけどそれが写真の表現の全てじゃないことは理解していてほしい。なんでもかんでもスローシャッターで…笑えない実話があるのだが、それなりにレベルの高いアマチュアカメラマンの友人が、子供の運動会で走っている子供をスローシャッターで撮ったのだが、これがまた完璧なタイミングとピントで上半身と表情は迫力に満ち溢れているのだが、その下半身が…赤塚不二夫の漫画に出てくるハタ坊(といって判る人はそれなりの年代だね)状態。ようするるに足がクルクル回っていてなんだかな〜という写真だった。まさか…と思ったが本当の話で、本人も「さすがに怒られました…」と反省していた。

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CANON 1DX+ EF IS 100-400mm L IS II USM F4.5-5.6 焦点距離 164mm SP1/25 F29

写真表現の手段の一つとしてスローシャッターはある。何を表現したいか、どう表現したいか?そのために一番ふさわしい表現方法を選択すること、忘れがちだが一番大切なことなので、考えて実際に撮影をしてまた考える。この繰り返しが新しい表現方法や、撮影技法を自分のモノにしていく唯一の方法だということを忘れずに挑んでほしい。

 

 - 機材&撮影

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